【洛南高校野球部】かけがえのない1時間

2026年7月7日(火)

洛南高校野球部(向島グラウンド)

3年生にとって、最後の夏。
初戦まで、あと2日。

ここまで積み重ねてきた努力を信じ、選手たちは貴重な調整を終えました。
今日も誰一人怪我なく練習を終えられたことに感謝し、ミーティングを終えて帰ろうとした、その時。

「木村コーチ!最後にノックの特守をしてもらえませんか!?」

大きな声で私を呼んだのは、洛南高等学校附属小学校のアカスポ野球スクールで幼い頃から指導してきたOくんでした。

私は思わず言いました。

「もちろんいいけど、試合は明後日。特守なんかして怪我をしたら大変だし、帰る時間も遅くなるよ。」

すると彼は迷いなく答えました。

いいんです!僕は最後まで追い込むことが調整なんです!

その言葉を聞き、

「そうか。じゃあ50球限定でやろう。」

そう返事をして、二人だけの特守が始まりました。

他の選手たちが帰路につく中、沈みゆく夕日を背に、一球一球に想いを込めてノックを打ち続けました。

「この打球はこう処理した方がいいですか?」
「この場面なら、こちらの方がいいですか?」

一球ごとに答えを求め、確認と吸収しようとする姿。

そこにいたのは、小学生の頃から知っている彼の姿ではありませんでした。

最後の夏を目前に控え、自分自身と真剣に向き合う、一人の高校球児でした。

50球で終えるはずが、結局1箱半。約1時間。

私にとっても、かけがえのない時間となりました。

そしてノックが終わった時、私から自然と出た言葉は、

「声をかけてくれて、ありがとう。」

でした。

全体練習が終わったあと、それでも声を掛けてくれたこと。

40代迎えた私が、18歳の青年と最後まで全力で向き合える時間を与えてくれたこと。

指導者という立場でありながら、逆に私自身が大切なものを教えてもらった気がしました。

アカスポを立ち上げて本当に良かった。

スポーツを通じて子どもたちと出会い、成長を見届け、そして人生の節目を共に歩ませてもらえる。

これほど幸せな仕事はありません。

指導者とは、教える仕事ではなく、選手たちの本気に触れ、自分自身も成長させてもらえる仕事なのだと改めて感じました。

いよいよ明日、洛南高校野球部は夏の初戦を迎えます。

勝敗ももちろん大切です。

しかし、それ以上に、ここまで積み重ねてきた努力を信じ、

洛南高校野球部らしい野球

を思い切り表現してほしい。

最後まで仲間を信じ、自分を信じ、胸を張って戦ってきてください。

アカスポも全力で球場へ応援に駆けつけます。

頑張れ、洛南高校野球部。

最高の夏になりますように。

Academic&Sports
代表 木村祐二