2020年6月28日(日)
京都市長旗杯
大会開幕から約3か月以上、遅れての初戦がやってきました。
相手は篠少年野球クラブ。
先ずは簡単に試合を振り返っていこうと思います。
アカスポの先発はエースの右腕。
相手は左本格派。
試合序盤から終盤までヒット1本。
相手の素晴らしいピッチングに打線は圧倒されます。
しかし、負けじとアカスポエースも打たせてとるピッチングで粘りの投球。
その後、5回に二死2.3塁のピンチを招き打球はサードボテボテのゴロ。
難なく捕球してからの送球がショートバウンドになりファーストも前に止めるが捕ることができずに相手に先制を許します。
いつもの流れなら投手がエラーから崩れて失点を重ねますが、エースが1失点に踏ん張りました。
相手チームは投手を代えましたが、引き続き打線は沈黙したまま0-1で最終回の攻撃をむかえました。
全員を集めて
「向こうはヒットを何本も打って三振を何個も奪って圧倒しているけれど1点しかとれてない。これだけ押されてても2点とれば勝てる。これが野球や。サヨナラできる。勝ちにいこう」
と伝えました。
打順は3番からの好打順。
先頭バッターの3年生は緊張するタイプで試合前から顔が引きずっていましたが、打席入る前に声をかけにいくと、勝負師の目に変わっていました。
結果はセンターオーバーの三塁打。
勝てたから言うわけではないですが、彼の三塁打が出た時点で勝ちを確信しました。
私がサインを出すタイミングを間違えなければ…。
無死3塁。バッターは4番のキャプテン。
アカスポ中学部が発足してこの1年2ヶ月、チームで1番成長したバッターです。
何の迷いもありませんでした。
サインはノーサイン。
「バッター任せた!!」
結果は右中間への同点タイムリー二塁打。
続く5番の2年生へは初球バントの構えで「待て」のサイン。
初球ファーストがチャージしてくるバントシフト。
相手も絶対に進塁を許したくない攻撃的な守備。
ここでサインをバスターに変更。
次の球を叩いて打球はセンターに抜ける。
と思いきや…相手ショートがなんとか止めて1塁へ送球が逸れて
無死1.3塁。
1塁ランナーが盗塁し2.3塁で6番バッターの2年生がセカンドゴロに倒れて
7番の3年生。
パンチ力はあるがミート力が課題のバッター。しかし、その日チーム唯一のヒットを打っていました。
初球ボール。2球目スクイズ。ファール。3球目ヒッティング。ファール。4球目ヒッティング。ボール。5球目エンドラン。ファール。
一球一球手に汗握る展開。
6球目。ヒッティング。
センター前ヒット!!
2-1サヨナラ勝ち!!
アカスポ中学部創部1年2ヶ月。大会出場2大会目で初勝利を達成することができました。
また1年生は前日の練習、試合までのアップからレギュラーメンバーの手伝い中心となりましたがしっかりと役割を果たし、試合中も先輩達への声かけや指示もできるようになってきました。
2年生は3年生に助けてもらった試合となりました。特にタイムリーエラーをしてしまった2年生サードは、タイムリーを打った先輩に心からの感謝の言葉を述べていました。
これがチームプレーの良い所。野球の素晴らしいところです。
そして3年生はコロナウイルスの影響で中学野球最後の1年が短くなってしまいましたが、この試合で今までやってきてくれた事を発揮してくれましたと感じています。
1人ひとりが考えてチームの為、自分の為に努力を重ねてきました。
次は1,2年生が3年生を助けられるような試合ができれば良い結果に繋がる事を期待します。
私たちアカスポは他のクラブチームとは近い平日毎日練習があるわけでありません。土日も1日練習ではなく半日練習が基本です。
選手達には、中学生という大人の階段を少し登り始め、様々な経験をし、将来の道を切り開いていく大切な3年間を野球だけにさせないという思いがあります。
文武両道。
いわゆる「野球だけの」選手ではなく、勉強やその他の活動や学びも野球と同じ様に真剣に取り組んでもらいたいからです。
練習では野球だけではなく社会に出て生きていく中で大切な事も伝えてきました。
あくまで生活の一部の中に野球があると言う事です。
人生において野球をしている時間なんてほんの少しです。
野球ができているのは当たり前じゃない。
色々な人の頑張りや支えがあってできている。
『当たり前の反対は有難い。』
だからこそ好きな野球をやる時間は真剣に。本気で取り組もう。本気で楽しもう。
とこの約1年間、選手達に伝え続けてきました。
限られた練習時間の中でも勝つ事ができました。たかが、小さな大会の1回戦かもしれません。
しかし、平日での過ごし方や1人1人の考え方、野球に取り組む姿勢。心構えで勝つ事ができました。
本当に小さな一歩だと思いますが、その一歩を踏み出せたこと。
それを信じてついてきてくれた選手達。理解してくださっている保護者の皆様。
全ての思いが一つになり掴めた初勝利です。
本当におめでとう。
そしてありがとう。
ただ、まだこれで終わりじゃない。
次の相手は京都でもトップクラスの強いチームです。
課題や反省も沢山あります。
『全員』で良い準備をして次の試合も全力で野球を楽しみたいと思います。
最後になりましたがいつも温かく見守って頂いております、保護者の皆様。本当にありがとうございます。
次も熱い応援をよろしくお願いします。
今後とも宜しくお願いします。
中学部監督 稲内基